晩年の価値:坂村真民と『大学』の教え

  • 坂村真民先生の教え – 人生の価値は晩年に判明する

仏教詩人である坂村真民先生が説く「価値は晩年で決まる」という言葉は、私たちの生き方を根本から問い直します。この教えは、人生の価値がその終わりにこそ真に評価されるという視点を提供しておりますが、人の人生はいつ終わるかわかりません。晩年はいつなのかわからないのです。このことは私たちに現在をどのように生きるべきかを示唆しています。毎日をまるで人生の最終日のように充実させることの重要性を教え、未来を見据えつつ、現在を精一杯生きることの大切さを強調しています。

  • 中国の古典「大学」の智慧

「富は屋を潤し、徳は身を潤す、心広く体(たい)胖(ゆた)かなり」という中国の古典「大学」にある言葉は、物質的な豊かさと精神的な豊かさのバランスを説いています。これは物質的な富が私たちの物理的な環境を豊かにする一方で、徳は個人の内面を豊かにし、心が広ければ体は健やかであるという意味です。この古典は、内面の徳や善良さが外面に現れ、個人だけでなく周囲にも良い影響を与えることの不変の真理をを現代に生きる私たちに伝えてくれます。

  • 個人の行動と社会全体への影響

坂村真民先生の教えと「大学」の智慧は、私たちの行動や心がどのように社会全体に影響を与えるかを示唆しています。徳や善行は、私たち一人ひとりの内面から生まれ、自分以外の人との関わりの中で初めて意味を成します。自分の夢や願いを追求するだけでなく、他者と共有し、社会全体の利益に貢献することが重要であることを教えています。個人的な努力と社会への貢献のバランスをとることが、人生に厚みをもたらすと言えるでしょう。

  • 結論

坂村真民先生と「大学」の教えは、個人の幸福と社会の幸福が互いに密接に関連していることを示しています。私たち一人一人がどのように行動し、生きるかが、個人の成長だけでなく、社会全体の進歩にも影響を与えるのです。従って、私たちは自分の内面を豊かにしながら、周囲の世界に良い影響を与えるために日々を生きるべきです。(2024/1/14 小竹)