適応の舞台裏:抵抗が織りなす進化の物語
人間の成長は、適応と抵抗の繰り返しによって駆動されます。外的・内的変化という抵抗に直面するたび、我々はその変化に対応するための方法を模索し、新しいスキルや知識を獲得します。
食事の例を取ると、硬いものを食べることで顎は徐々に強化されます。これは、食事の過程で遭遇する物理的な抵抗に適応する結果としての成長です。同様に、筋トレをすることで筋肉は刺激を受け、その後の回復過程で筋肉の量や質が増加します。ピアノにおいても、練習を続けることで指の動きが早くなり、曲の演奏が上手くなるという適応が見られます。
この成長の過程で注目すべきは、適応の後に新しい抵抗が必要となることです。既存の抵抗に適応するだけではなく、新しい挑戦や困難を経験することでさらなる成長が期待できます。
自然界でも、生物は進化の過程で様々な抵抗や変化に対応してきました。人間は言語能力を持つことで社会を形成し、複雑なネットワークの中で生き抜くためのさまざまなスキルを獲得してきました。この能力は、他の生物との競争や生存のための戦略として磨かれてきたものです。
組織においても、この適応と抵抗の原則は重要です。単に成功事例を共有したり、知識を伝達するだけでは十分ではありません。組織全体としての抵抗力を高め、変化や困難に柔軟に対応できる体制を構築することが求められます。
佐藤一斉の言葉、「少くして学べば壮にして為す所 壮にして学べば老いて衰えず 老いて学べば死して朽ちず」は、学び続けることの重要性を示しています。自らの成長を追求する姿勢は、個人だけでなく組織にとっても不可欠です。昇進や業務の変更は、新しい挑戦の機会として捉え、逃避行動としてではなく、さらなる成長のための手段として利用するべきです。絶えず自己の限界に挑戦し、新しい領域を探求することで、真の成長を実現しましょう。(2023/12/24 小竹)