優秀だからといって早く用いてはいけない。
「易経」の文言伝には“潜龍用うることなかれ”と書かれています。この「潜龍」は文字通りまだ海中、つまり社会に顔を出していません。まだ誰にも知られず力を蓄えているときです。会社でいう期待の若手社員ですが、これを引き上げてはならないと書かれているのです。では何をするときかというと“確乎不抜の志”を打ちたてるときだとされています。期待しているからこそ、早く昇進させてはいけないのです。それはせっかくの人材を用いるのではなく消費してしまうことになります。(2020/8/10小竹)