NNF連載|第5話 5つの活用原則──読む・感じる・照らす・振り返る・問い直す
NODE NAVISは、「決まった道」を示すものではありません。
むしろそれは、「いま、この場で、どの方向に向かえばよいか」という方角の感覚を育てる思想装置です。
では、この羅針盤を実際に機能させていくには、どのような仕組みが必要なのでしょうか。
本稿では、NODE NAVISを職場で生かすための5つの活用原則を紹介します。
これらは単なる手順ではなく、「知とふるまいがつながり、意味を持つ場」をつくるための実践的な循環構造です。
1.読む──ふるまいの意味に触れる
NODE NAVISに記されたふるまいの記録は、単なる報告ではありません。
それは、誰かが経験の中で感じた意味や判断の軌跡です。
ふるまいを「読む」ことは、
- ・他者の視点を借りること
- ・自分の判断軸を照らし返すこと
- ・組織の価値観に接続すること
を意味します。
読む行為は、「教えられる」のではなく、「自ら問いをもって受け取る」こと。
これがNODE NAVISの起点です。
2.感じる──空気と関係性を捉える
NODE NAVISは、感受性を知として育てることを目的としています。
読むことができても、感じることができなければ、ふるまいは再現されません。
ここでいう「感じる」とは、
- ・空気の温度に気づく
- ・相手の目線の動きに注意を向ける
- ・声のトーンや沈黙の質に反応する
といった、言語化以前の気配を知覚する力を指します。
NODE NAVISでは、感じたことをふるまいに変える力を「第一の判断」として重視します。
3.照らす──ふるまいを自分に映す
読む → 感じる、までが他者の知との接触だとすれば、
「照らす」はそれを自分の行動や態度に映してみるステップです。
- ・「この記述、自分なら同じふるまいができただろうか」
- ・「あのときの自分の対応と比べて、何が違うだろうか」
照らす行為は、判断の軸を外から内へ持ち帰る作業です。
これは自己評価ではなく、自己と対話する時間をつくること。
NODE NAVISでは、この「照らし合わせ」の回数が、内的な羅針盤の精度を高めると捉えます。
4.振り返る──気づきから学びへ
次に重要なのは、「自分のふるまいを、自分の言葉で振り返ること」です。
これはNAVISの最も象徴的な行為のひとつです。
振り返るとは、単に「何をしたか」を思い出すのではありません。
- ・どのような関係性のなかで
- ・どんな空気を感じながら
- ・なぜそのふるまいを選んだのか
を問い直すことで、意味が経験から浮かび上がってくるのです。
NODE NAVISでは、「ふるまいの意味の再発見」が、学びの核心とされます。
5.問い直す──ふるまいを文化に変える
最後に、NODE NAVISを文化へと昇華するために欠かせないのが「問い直し」です。
- ・あのときのふるまいは、ほんとうによかったのか?
- ・もっとよい方法があったのではないか?
- ・この状況が別の人に起きたとき、どう伝えられるか?
このように問い続ける姿勢こそが、NODE NAVISの本質です。
それは、「記録」や「報告」を目的とした仕組みではなく、
文化として知を耕すための循環装置なのです。
活用原則は“回る”ことで意味を持つ
この5つの原則──
読む → 感じる → 照らす → 振り返る → 問い直す──は、
線ではなく円環的に循環するものです。
ふるまいを記録して終わりではなく、
そこからまた「読む」ことが始まり、次のふるまいにつながっていく。
NODE NAVISはこの知のサイクルを日常に根づかせるための“共通言語”として機能します。
次回予告:ふるまいの記述へ
次回は、「ふるまいの記述とは何か」を扱います。
マニュアルでは形式知として省略されてきた「判断のプロセス」「気づきの構造」を、どのように言語化し、共有するか。
NODE NAVISの実践が、いよいよ動き始めます。(2025/7/6 小竹)



