NNF連載|第11話 「知の連関──ノード型組織と学習の網目」
知は単独では存在しません。
一つひとつのふるまいや判断は孤立した点ではなく、他者の経験や記述と結びつくことで意味を獲得していきます。
NODE NAVISが描き出すのは、まさに「点の集積」ではなく「結び目の網目」としての知のあり方です。
「つながり」としての知を考える
従来のマニュアルや指示書は、知を階層的に配置するものでした。上から下へ流す仕組みは効率的ですが、そこに生まれるのは命令の伝達であり、学習の連鎖ではありません。
NODE NAVISは、知を一方向ではなく多方向の結びつきとして扱います。
・あるスタッフの応対記録が、別のスタッフの学びに接続される
・厨房の工夫が、ホールの気づきを促す
・小さな判断の積み重ねが、組織全体の知の網目を広げていく
こうして知は流通し、固定化されることなく、生きた関係性の中で育っていきます。
ノード型組織の力
ヒエラルキー型の伝達は「誰から誰へ」とルートが限定されますが、ノード型のつながりには境界がありません。
むしろ、ノード型の強みは「想定外の結びつき」にあります。
思いもよらない記録同士が意味を持って接続されることで、従来の構造では見えなかった新しい学習の経路が浮かび上がるのです。
たとえば──
・「片付けの段取り」を工夫した厨房のメモが、「ホールの退店案内」の改善と接続される
・「観光客の応対」で書かれたノウハウが、「常連客との対話」に新しい視点をもたらす
こうした接続は、従来の命令系統では到達しえなかった知の広がりを生みます。
NODE NAVISが描く網目
NODE NAVISは、このノード型の連関を「見える化」し、誰もが参照できる学習の網目として組織に埋め込みます。
それは「個人の経験を全体で共有する仕組み」であると同時に、「偶発的な接続を促す触媒」でもあります。
NODE NAVISとは──あらためて定義すると、
「知を点ではなく結び目として記述し、その連関によって学習の網目を形成する装置」
だと言えるでしょう。
次への橋渡し
知は結び目となり、網目を広げる。しかし、その網目の中で評価されるものは何でしょうか。
次回は、その答えとして「幸福感」と「徳」という成果を超えた評価軸を取り上げたいと思います。
【読者への問いかけ】
あなたの組織では、知は命令として流れていますか?
それとも、結び目としてつながり合っていますか?
(2025/8/29 小竹)



