SNSや口コミに頼るな!外食産業が本当に力を入れるべき「販促」とは?
「うちの店はSNSを頑張っているのに、なぜか売上が伸びない」──そう感じている飲食店経営者や店長は少なくないでしょう。また、お客様の口コミも信じきれず、何が本当の情報なのか分からなくなっているかもしれません。
しかし、これは決して不思議なことではありません。実は、外食産業の特性を考えると、SNSや口コミといったデジタルな情報が「販促の主軸」になり得ない、明確な理由があります。
なぜSNSや口コミは「販促の主役」になれないのか?
この疑問を解明するために、ある論文の理論を紐解いてみましょう。この論文は、外食産業が持つ構造的な特徴を分析し、以下の2つの理由から、SNSや口コミの限界を指摘しています。
1. SNSは「自画自賛」にすぎない
お店がSNSで「今日のランチは絶品です!」と発信するのは、誰でもタダでできる「チープトーク(安っぽいおしゃべり)」です。お客様は「お店が言うのは当たり前だよね」と受け止めるため、その情報だけでは来店するほどの強い動機にはなりません。
2. 口コミは「不完全な情報」である
かつては信頼性が高いとされてきたお客様の口コミも、実際には完全な真実ではありません。過度な誇張や個人的な好みに基づく感想、さらには悪意のある誹謗中傷や「やらせ」レビューが含まれることがあります。
このように、お店の発信(SNS)も、お客様の声(口コミ)も、どちらも不確かで信頼性に欠ける情報なのです。
本当の「販促」は「店舗の力」にある
お店の経営資源(時間やお金)には限りがあります。SNSを毎日更新する時間と費用、そして食材の質を上げたり、接客を改善したりする費用。この論文は、この両者を比較し、後者への投資こそが最も効率的な販促活動であると結論づけています。
なぜなら、料理の味やサービスの質を上げることは、お客様に直接的な満足感をもたらし、その結果、心からの「良い口コミ」や「リピーター」が生まれるからです。
- SNS: 頑張って投稿しても、お客様の行動を大きく変える力は弱い。
- 店舗の力: お客様を感動させれば、それが信頼性の高い「本物の口コミ」となり、お店の成長を支える。
オンライン上の情報がどれほど不確かになろうとも、お客様が最後に信じるのは、自分の五感で体験した「本物の価値」です。
結論:デジタルに惑わされず、足元を固めよう
SNSや口コミを完全に無視すべきではありませんが、それらを「販促の主軸」に据えるのは根本的に間違いです。
外食産業の持続的な成長を支えるのは、華やかなデジタル戦略ではなく、地道な「店舗の営業力」にほかなりません。お客様に最高の体験を提供すること──それこそが、時代や情報に左右されない、最も強力な販促なのです。(2025/8/23 小竹)



