真の幸福

幸福とは欲望の満たすことではありません。「もっと、もっと」と思うことは成長意欲があると解釈しがちですが、その先にはさらに大きな欲望、不満が見えてきます。これではいつまで経っても幸せにはなれません。黒住宗忠はこう言っています。

何事も有難いにて世に住めば 向かう物事 みな有難いなり

この有難いと思う感謝の念から幸せが湧きだしてくるのです。そして自分の生活はすべて他人の力を借りて営んでいることに気づくと、その感謝の先に慈悲の心が芽生えます。利他とはこの感謝と慈悲であり、真の幸福とはここにあると言えるのではないでしょうか。(2023/1/30 小竹)