第5回 組織文化と思想の体現──理念を日常に生かす営み
「思想の贈与論──文化資本と知の公共性」 APPLIED編
著者:小竹竜也
連載開始:2025年9月7日
本書 APPLIED編 第5回(掲載日:2025年11月30日)
思想は文章で掲げるだけでは生きない。店舗の日常で体現されるとき、組織文化として根づく。
要旨
本稿は、思想の贈与論を組織文化の設計に応用する試みである。制度・教育・労務・顧客体験はいずれも思想を支える仕組みであるが、それらを貫いて有効に機能させるのが組織文化である。組織文化は、理念を形式的に標語として掲げるのではなく、店舗の日常のふるまいを通じて思想を体現する営みである。本稿では、組織文化における思想の贈与の役割を明らかにし、持続可能な経営基盤としての文化設計を提示する。
キーワード
組織文化、思想の贈与、体現、理念、店舗、制度、持続可能性、経営基盤
1. 序論:組織文化の意義
組織文化は、制度や方針の背後にある価値観や行動様式であり、組織全体の一貫性を支える。文化が理念と乖離すれば制度も形骸化し、信頼を失う。思想を文化に体現することが不可欠である。
2. 店舗における思想の体現
店舗は組織文化が最も具体的に現れる場である。挨拶、顧客対応、チームワークといった日常の行動が思想を映し出す。制度が支えるのは枠組みに過ぎず、思想は体現されなければ文化にならない。
3. 思想の贈与としての文化形成
組織文化の形成は、思想の贈与によって進む。
- ✓ 制度を通じた公平性の贈与
- ✓ 教育を通じた知の贈与
- ✓ 労務管理を通じた信頼の贈与
- ✓ 顧客体験を通じた価値の贈与
これらが循環することで、文化が育まれる。
4. 組織文化と思想体現の暫定命題
命題1:組織文化は、思想の贈与を日常の行為として体現することによって形成される。
命題2:組織文化は、制度・教育・労務・顧客体験を貫く基盤として思想を支える。
5. 結論:理念から文化へ
理念は掲げるだけではなく、店舗の営みを通じて文化として根づく。思想の贈与を基盤に組織文化を設計することは、持続可能な経営を実現するための要である。
関連ノード
- APPLIED:A6(経営戦略と思想の統合)
- THEORY:T7(思想の贈与論の総括)
- COMMONS:C2(知の共有とコモンズの管理)
参考文献(抜粋)
- Schein, E. H. (2010). Organizational Culture and Leadership. Jossey-Bass.
- Nonaka, I., & Takeuchi, H. (1995). The Knowledge-Creating Company.
- 小竹竜也(2025-)「思想の贈与論」連載各回



