古代の建造物から学ぶ組織の求心力

こんにちは、モリカの小竹です。私はこの会社の経営コンサルタントとして、さまざまな業種や規模の店舗運営をサポートしています。
今日は、私が実践している「求心力」というテーマについてお話ししたいと思います。

求心力とは、中心に向かって働く力のことです。
物理学の用語ですが、経営学や組織論でも使われることがあります。
組織における求心力とは、組織の中心に向かって働く力であり、組織の一体感や結束力を高める要因のことです。
求心力が高い組織は、メンバーが共通の目標や価値観に基づいて行動し、協力し合うことができます。
逆に求心力が低い組織は、メンバーがバラバラになりやすく、対立や離反が起こりやすくなります。

では、組織に求心力を生み出すためにはどうすればいいのでしょうか。
古代の建造物から得られるヒントもあります。
古代の人々は、集落を作る際にシンボルとして神殿やピラミッドなどの建造物を作りました。
これらの建造物は、単に集落の中心として機能するだけでなく、集落の住民に共通の信仰心やアイデンティティを与える役割も果たしました。
つまり、集落ができた後にシンボルとして生まれたものだけではなく、象徴として作られたところに人が集まってできる集落もあるのです。
言い換えると前者は経済的な理由でできたものですが、後者は精神的な理由でできたものです。

これは現代の会社にも当てはまります。
会社における求心力を高めるためには、経済的な理由だけではなく、精神的な理由も必要です。
経済的な理由とは、給与や福利厚生などの報酬や待遇のことです。
これらは重要ですが、それだけでは人を長期的に引きつけることはできません。
精神的な理由とは、会社の持つ理念・ビジョンやリーダーの魅力などのことです。
これらは人々に感動や希望を与えることができます。経営者の夢や人物像にこそ人が集まるのです。

私はコンサルタントとして、多くの会社を訪問し、その求心力を分析しました。
その中で見つけた成功事例や失敗事例を紹介しながら、会社における求心力を高める方法をお伝えします。ぜひご覧ください。

## 求心力の成功事例

### 事例1:社員の幸せを追求する会社

この会社は、社員の幸せを追求することを経営理念として掲げています。
社員の幸せとは、仕事にやりがいを感じること、自分の成長を実感できること、家族や友人との時間を大切にできることなど、さまざまな要素があります。
この会社では、社員一人ひとりの幸せを尊重し、それに応じた働き方やキャリアプランを提供しています。
例えば、以下のような取り組みがあります。

- 社員の希望に応じて、フレックスタイム制や在宅勤務制などの柔軟な働き方を選択できる。
- 社員の興味や能力に応じて、自分で仕事の内容や目標を決められる。
- 社員の学びたいことや挑戦したいことに応じて、自己啓発費用や研修費用を支給される。
- 社員の家族や友人との時間を大切にできるように、有給休暇や特別休暇などの取得を推奨される。

このように、社員の幸せを追求することで、社員は自分の仕事に誇りや責任を持ち、高いパフォーマンスを発揮します。
また、社員同士の信頼や協力も高まり、チームワークが向上します。
さらに、社員の幸せがお客様にも伝わり、高い満足度やリピート率を得ることができます。
この会社は、社員の幸せが会社の成果につながるという考え方で経営されており、その結果、業績も好調です。

### 事例2:地域貢献を目指す会社

この会社は、地域貢献を目指すことをビジョンとして掲げています。
地域貢献とは、自分たちが住んでいる地域に対して何かしらの価値を提供することです。
この会社では、自分たちの事業やサービスだけではなく、さまざまな形で地域に貢献しています。
例えば、以下のような取り組みがあります。

- 地域のイベントや祭りに積極的に参加し、協賛やボランティアなどで協力する。
- 地域の学校や団体と連携し、自分たちの専門知識や技術を教えたり相談に乗ったりする。
- 地域の環境問題や社会問題に関心を持ち、解決策を提案したり実行したりする。
- 地域の特産品や文化を紹介したり応援したりする。

このように、地域貢献を目指すことで、社員は自分たちが住んでいる地域に愛着や誇りを持ちます。
また、地域の人々との関係も深まり、信頼や感謝を得ることができます。
さらに、地域のニーズやトレンドに敏感になり、自分たちの事業やサービスに反映することができます。
この会社は、地域貢献を目指すことで、地域社会の一員として認められ、その結果、業績も安定しています。

## 求心力の失敗事例

### 事例1:経営者の不在が続く会社

この会社は、経営者が海外に長期出張に行ってしまい、その間に経営方針やビジョンが不明確になってしまいました。
経営者は、自分の考えや情報を社員に伝えることが苦手で、社員は経営者の意思を読み取ることができませんでした。
そのため、社員は自分たちで判断して行動するようになりました。
しかし、社員の判断基準や行動方針はバラバラであり、組織全体としての方向性や一貫性が失われました。
例えば、以下のような問題が起こりました。

- 営業部門と開発部門が連携せずに、お客様のニーズに合わない商品やサービスを提供してしまった。
- 人事部門と経理部門が連携せずに、予算や人員の配分について対立してしまった。
- 広報部門と法務部門が連携せずに、社外に対する情報発信や対応についてトラブルが起こった。

このように、経営者の不在が続くことで、社員は自分たちの仕事に対するモチベーションや責任感を失いました。
また、社員同士のコミュニケーションや協力も減少し、チームワークが低下しました。
さらに、お客様や取引先からの信頼や評価も低下しました。
この会社は、経営者の不在が続くことで、求心力が低下し、その結果、業績も悪化しました。

### 事例2:理念・ビジョンが変わりすぎる会社

この会社は、理念・ビジョンが変わりすぎることで、社員が混乱してしまいました。
理念・ビジョンとは、会社が目指すべき存在や目標です。
理念・ビジョンは、社員に方向性や目的意識を与える役割を果たします。
しかし、この会社では、経営者が気分や市場の変化によって理念・ビジョンを頻繁に変えてしまいました。例えば、以下のような変更がありました。

- 「お客様第一主義」から「従業員第一主義」へ
- 「品質重視」から「コスト重視」へ
- 「国内市場に特化」から「海外市場に進出」へ

このように、理念・ビジョンが変わりすぎることで、社員は自分たちが何のために働いているのかわからなくなりました。
また、社員の価値観や行動基準も揺らぎ、組織全体としての一致や統一が失われました。
さらに、理念・ビジョンが変わるたびに、事業やサービスの内容や方針も変わり、お客様や取引先に対する信頼や評価も低下しました。
この会社は、理念・ビジョンが変わりすぎることで、求心力が低下し、その結果、業績も悪化しました。

## まとめ

以上が私が実践している「求心力」というテーマについてのお話でした。
求心力とは、組織の中心に向かって働く力であり、組織の一体感や結束力を高める要因のことです。
求心力を高めるためには、経済的な理由だけではなく、精神的な理由も必要です。
古代の建造物から学ぶように、シンボルや象徴となるものを作り、共通の信仰心やアイデンティティを持つことが大切です。
また、成功事例や失敗事例から学ぶように、経営者の存在感やリーダーシップ、理念・ビジョンの明確さや一貫性なども重要です。

皆さんもぜひ、自分たちの組織における求心力をチェックしてみてください。
そして、求心力を高める方法を考えてみてください。