プラグマティズムを通じて見るコミュニケーション:意義生成への道

今日のビジネス環境において、効果的なコミュニケーションは不可欠です。しかし、「効果的なコミュニケーション」が何を意味するのか、それをどのように達成するのかについての認識は人それぞれで、具体的な手法も多種多様です。

ここで、我々が提案する視点がプラグマティズムです。プラグマティズムは19世紀末から20世紀初頭のアメリカで生まれた哲学の一派で、その中心思想は「行動が真理を生み出す」というものです。つまり、考え方やアイデアが何かの真理を表しているかどうかは、それが実際の状況でどのように働き、どのような結果を生むかによって決まるという考え方です。

この哲学をコミュニケーションに当てはめると、言葉やメッセージだけでなく、それがどのような行動につながるか、そしてそれがどのような意義を生むかが重要になります。つまり、コミュニケーションは単に情報の伝達だけでなく、相手との共通の理解を築き、何らかの行動を促進し、最終的には共有の意義を創造するプロセスであるという視点を提供します。

例えば、あるプロジェクトでのチームリーダーとメンバーのコミュニケーションを考えてみましょう。リーダーがメンバーに対して指示を出す際、それが単なる命令ではなく、メンバーにとって何を意味するか、そしてその指示がどのように行動に繋がり、プロジェクト全体にどのような影響を与えるかを予測し、それに基づいてメッセージを調整する必要があります。これこそがプラグマティズム的なコミュニケーションの一例です。

つまり、プラグマティズム的なコミュニケーションを行うには、メッセージの送信者と受信者が共に主体的に参加し、相手の視点を理解し、反応を予測し、適切なメッセージを作り出す能力が求められます。これは単に情報を伝達するだけでなく、相手と共に意義を創造し、共通の理解を築くプロセスと言えます。

これからも、プラグマティズム的な視点を持ち続け、日々のコミュニケーションに活かしていくことが、より良い組織運営、チームビルディング、そして個々のパフォーマンスに繋がると我々は信じています。(2023/7/27 小竹)