リズムの大航海:人類の鼓動とともに

西洋のクラシック音楽は、精緻で洗練された音楽として知られ、特に古典期の18世紀から19世紀の間にその根付きを強めました。このクラシック音楽とは対照的に、地域で生まれ育った多くの音楽は、その地の文化や歴史、自然環境を反映したものであり、それは一種の躍動感を持つものとなっています。
世界的に有名な音楽大国からいくつか例にとると、インドネシアのクロンチョンやダンドゥット、ブラジルでサンバ以前のルンドゥーやモジーニャそしてショーロ、コロンビアのポロやパシージョ、クンビア、バジェナードなど多彩なリズムがあります。またアフリカではグリオが国王を賞賛する歌を歌い、その土地の人々の生活や心情、歴史を映し出しています。
広い地域にみられるポリリズムは複数のリズムが重なり合うことですが、そこから生まれるグルーヴ感は人間の真骨頂で、深い人間味を持つ音楽の象徴と言えるでしょう。
そして、これらのリズムや音楽が生まれる背景には、人々の暮らしや文化、自然や歴史が絡み合っています。わずかにずれるリズムの中に、その土地の人々の心の動きや歴史の波紋を感じ取ることができるのです。
世界中には、まだ私たちの知らない音楽やリズム、文化が無数に存在しています。それを知ることで、私たちの心はさらに広がり、深まることでしょう。是非、音楽を通して、世界の多様性や奥深さを感じ、それを自分の中に取り入れてみてください。 (2023/10/29 小竹)