NNF連載|第16話 「知の羅針盤──NODE NAVISの総括」
ここまで15話にわたり、NODE NAVISの思想と実践をたどってきました。
ふるまいの記述から始まり、意味の接続、文化の形成、書かれない知や教育、そして伝統と革新の交差へと歩みを進めてきました。
いよいよ最終回として、NODE NAVISの全体像を「知の羅針盤」として総括します。
NODE NAVISの定義を再び
NODE NAVISとは、こう定義できます。
「ふるまいの記述を起点に、知を接続し、文化として継承する思想装置であり、
組織の深層に息づく知の循環を支える羅針盤である。」
この定義は、単なる知識管理の枠を超えています。
NODE NAVISは「知識を貯める」仕組みではなく、「知が生きて循環する」仕組みそのものです。
知の三層を貫く仕組み
本連載で見てきたように、NODE NAVISは三層の知をつなぎます。
・形式知──記録やマニュアルに残せる知
・暗黙知──ふるまいや雰囲気に宿る知
・実践知──実際の行為を通じて意味を持つ知
この三層がNODE NAVISのなかで交わり、相互に補完し合うとき、組織の文化は深まり、未来への継承が可能になります。
羅針盤としての機能
羅針盤は、方向を指し示すだけでなく、歩みを続ける中で意味を与える装置です。
NODE NAVISも同じです。
・記述が積み重なり、過去の文化を映し出す
・意味の接続が未来の指針を形づくる
・誰かのふるまいが、次の誰かの一歩を導く
こうしてNODE NAVISは、個々の判断や経験を超え、組織全体を導く「知の羅針盤」となるのです。
これからを生きるために
この連載はここで完結しますが、NODE NAVISが描く知の地図は終わりません。
むしろ、読む人それぞれの現場で、新しい記述が生まれ、接続され、文化として息づいていくでしょう。
NODE NAVISは完成品ではなく、あなたとともに更新され続ける「生きた思想装置」なのです。
【読者への問いかけ】
あなたの組織におけるNODE NAVISは、どんな羅針盤として機能していますか?
その針は、未来に向かってどんな方向を指し示していますか?(2025/10/8 小竹)



