音楽がもたらした新たな視点:多様性を受け入れる文化的成長の軌跡
音楽は時として、私たちの人生に深い影響を与えるものです。私の場合、それは中学生の時に手にしたTalking Headsの「Remain in Light」から始まりました。このアルバムは、アフリカ音楽の要素を取り入れていると聞いて興味を持ったものの、当時はその意味や影響を完全には理解できませんでした。しかし、その独特のサウンドは頭の片隅に残り続けました。
その後、ベルギーのレーベル、クラムド・ディスクからリリースされる「Made to Measure」シリーズに出会いました。特に、ヘクトー・ザズーやジョン・ルーリーの音楽は私の耳を捉えました。ジョン・ルーリーのアルバム「ストレンジャー・ザン・パラダイス」のサウンドトラック盤を通じて、映画の世界にも没頭するようになりました。
この映画体験を通じて、ニューヨークインディーズ映画からフェデリコ・フェリーニ、ジャン=リュック・ゴダール、レオス・カラックス、アッバス・キアロスタミ、ルキノ・ヴィスコンティといった監督の作品に触れることとなりました。これらの映画は、私の文化的視点に多様性を受け入れる重要性を教えてくれました。
私の文化的視点の根幹は、多様性の容認にあります。メジャーとマイナーといった二項対立は、同じ線上での選択に過ぎません。それは同じ価値判断に基づくものであり、その枠を超える視点が必要だと感じるようになりました。オルタナティブ、つまり「もう一つの主流」という視点を持つことで、私たちはより複雑で立体的な見方をすることができるのです。
この視点は、単なる文化的な好奇心を超えて、私の人生全般に影響を与えるようになりました。音楽や映画を通じて得た多様な視点は、私の考え方や価値観に深く根付いています。例えば、仕事においても、異なる意見やアプローチを尊重し、チームの多様性を活かすことが重要だと感じるようになりました。
また、個人としての成長にも繋がっています。異なる文化や背景を持つ人々との交流を通じて、自分自身の視野を広げることができます。これは、単なる知識の獲得だけでなく、感性や人間関係においても大きな意味を持ちます。
音楽や映画を通じて得た視点は、私の人生における大きな財産です。それは、単なるエンターテインメントの枠を超えて、私の価値観や行動に深い影響を与えています。これからも、多様な文化や視点を受け入れ続けることで、自分自身の成長を続けていきたいと思います。(2024/6/9 小竹)