十七条憲法の第十条と現代企業における心構え

● 十七条憲法第十条の内容

=原文=
「忿(ふん、心の怒り)を絶ちて、瞋(じん、表の怒り)を棄て、人の違うこと怒らざれ。人皆心あり。心おのおの執とれることあり。彼是とすれば我非とす。我是とすれば彼非とす。我必しも聖にあらず、彼必しも愚にあらず。共にこれ凡夫のみ。」
=口語訳=
「心の中の怒りを抑え、表に出る怒りを捨てましょう。人が間違っても怒らないようにしましょう。人は皆それぞれ心を持っており、執着するものがあります。相手が正しいと思うことを自分は間違いだと思うこともあれば、自分が正しいと思うことを相手は間違いだと思うこともあります。自分が必ずしも賢いわけではなく、相手が必ずしも愚かではありません。私たちは皆、ただの普通の人間です。」

● 現代企業における心構えとしての応用
十七条憲法の第十条は、現代の企業においても非常に重要な教えを含んでいます。以下に、その教えを現代企業における心構えとして書き換えてみます。

「会社での心構え」
「心の中の怒りを抑え、表に出す怒りを捨てましょう。誰かが間違っても怒らないようにしましょう。みんなそれぞれに心を持ち、執着するものがあります。相手の意見が自分と違うことがあっても、それを受け入れることが大切です。自分が必ずしも正しいとは限らず、相手が必ずしも間違っているわけではありません。私たちはみんな普通の人間です。」

● 実践のポイント
「冷静なコミュニケーション」
怒りを抑え、冷静にコミュニケーションを取ることが重要です。感情的にならず、論理的に話すことで相手との誤解や対立を避けることができます。

「相手の立場を尊重する」
相手の意見や考えを尊重し、理解しようとする姿勢を持ちましょう。自分と違う意見を受け入れることで、新たな視点を得ることができます。

「自己反省」
自分の意見が必ずしも正しいとは限らないことを自覚し、自己反省する習慣を持ちましょう。これにより、より良い判断ができるようになります。

● 結論
聖徳太子の十七条憲法は、古代日本の社会だけでなく、現代の企業においても有用な教えを提供しています。第十条の教えを実践することで、職場の人間関係が円滑になり、より良い職場環境を築くことができるでしょう。ぜひ、この教えを日常業務に取り入れ、冷静で尊重し合う職場を目指していきましょう。(2024/5/19 小竹)